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チンメルマン・レーバンド症候群:KCNH1およびATP6V1B2の変異はチンメルマン・レーバンド症候群を引き起こす

Nature Genetics 47, 6 doi: 10.1038/ng.3282

チンメルマン・レーバンド症候群(ZLS)は、歯肉の腫脹を伴う顔貌異常、知的障害、爪や末節骨の低形成あるいは無形成、および多毛症を特徴とする発達障害である。本論文では、KCNH1のヘテロ接合性ミスセンス変異がZLSのかなりの割合を占めることを報告する。KCNH1は、電位依存性K+チャネルのEag1(Kv10.1)をコードしている。パッチクランプ記録から、1つのKCNH1チャネル変異体(Gly469Arg)を除いた、他のすべてのKCNH1チャネル変異体が電位依存性活性化により強力に負への移行を示した。野生型KCNH1とGly469Arg変異型KCNH1を共発現させるとヘテロ四量体チャネルが生じ、このチャネルは正電位でコンダクタンスが低下するが、負電位でコンダクタンスが増加した。これらのデータは、すべてのZLS関連KCNH1変異体が機能獲得性効果を持つことを裏付けている。さらに、ZLS患者2人において、多量体である液胞型H+ ATPアーゼのB2サブユニットをコードするATP6V1B2に頻発するde novoミスセンス変異を同定した。構造解析から、この変異が複合体の組み立てを乱す効果を持つことが予測された。我々の知見は、KCNH1変異がZLSを引き起こすことを示し、またZLSに遺伝的な不均一性があることを実証している。

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