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自己免疫疾患:COPAの変異は小胞体-ゴルジ体輸送を損ない、遺伝性の自己免疫関連肺疾患および関節炎を引き起こす

Nature Genetics 47, 6 doi: 10.1038/ng.3279

標本抽出を無作為に行った遺伝解析から、ヒトの細胞免疫および自己免疫の分子機序が明らかになっている。今回、明らかにメンデル遺伝する自己免疫疾患患者の5つの家系について、全エクソーム塩基配列決定および標的塩基配列決定を行った。この疾患は、力価の高い自己抗体、炎症性関節炎、間質性肺炎を特徴としている。その結果、4つの異なる有害なバリアントをCOPA(コートタンパク質複合体のサブユニットαをコードする)に同定した。これらのバリアントはいずれも同じ機能性ドメインに影響を及ぼしていた。変異型COPAではコートタンパク質複合体I(COPI)が担う細胞内輸送が損なわれていると考え、COPA変異体では、ゴルジ体から小胞体へのタンパク質の逆輸送が行われる際に必須となるタンパク質への結合に異常をきたすことを明らかにした。また、変異型COPAが発現することで、小胞体ストレスや、17型ヘルパーT細胞(TH17細胞)の増殖を惹起するサイトカインの産生の亢進が引き起こされた。さらに、患者由来のCD4+ T細胞においては、自己免疫との関係をうかがわせるTH17細胞の表現型に大きく偏った表現型が明確に認められた。今回得られた知見は、肺や関節に症状を呈する自己免疫症候群と小胞輸送タンパク質との、想定外の分子レベルでの関係を明らかにした。

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