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運動失調:SNX14の両対立遺伝子性変異は症候群型の小脳萎縮症とリソソーム・オートファゴソームの機能不全を引き起こす

Nature Genetics 47, 5 doi: 10.1038/ng.3256

小児期発症の運動失調は発達遅滞や知的障害という臨床症状を示し、神経放射線学的には、顕著な小脳萎縮が重要な知見となる。本論文では、運動失調、粗野な顔貌、知的障害を伴う小脳萎縮を持つ12家系において、臨床的に区別できる新しい劣性遺伝性症候群を認め、この症候群が、ソーティングネキシン遺伝子SNX14の短縮型変異により生じることを報告する。SNX14は、普遍的に発現しているPXドメイン(結合モジュール)含有ソーティング因子をコードする遺伝子である。我々は、SNX14がリソソームに局在しており、後期エンドソーム/リソソームの主要な構成要素であるホスファチジルイノシトール(3,5)-ビスリン酸に結合することを見つけた。患者由来の細胞には拡大したリソソームが見られ、飢餓によるオートファジーの誘導ではオートファゴソーム除去速度の遅延が見られた。ゼブラフィッシュのsnx14を標的とするモルフォリノを用いた実験では、小脳実質の劇減、オートファゴソームの蓄積、アポトーシスの活性化が見られた。我々の結果は、両対立遺伝子性SNX14変異がリソソーム・オートファゴソーム機能不全を引き起こすことで生じる、独特な運動失調症候群の特徴を明らかにしている。

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