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膵炎:リパーゼ遺伝子CELとその偽遺伝子CELPの組換え対立遺伝子における慢性膵炎への感受性の比較

Nature Genetics 47, 5 doi: 10.1038/ng.3249

カルボキシルエステルリパーゼは膵臓の消化酵素で、CEL遺伝子にコードされている。CEL遺伝子の変異は膵外分泌機能不全と同様に若年発症成人型糖尿病の原因となる。今回我々は、CEL遺伝子とその近傍にある偽遺伝子CELP間の交差に由来するハイブリッド対立遺伝子(CEL-HYB)について記述する。発見段階の研究では、家族性慢性膵炎症例にはCEL-HYBが14.1%(10/71)見られ、一方、対照群では1.0%(5/478)であった(OR = 15.5、95% CI = 5.1~46.9、P=1.3 × 10−6、フィッシャーの正確確率検定での両側検定による)。非アルコール性慢性膵炎における3つの再現実験により、CEL-HYBを計3.7%(42/1,122)の症例と0.7%の対照群(30/4,152)(OR = 5.2、95% CI = 3.2~8.5、P = 1.2 × 10−11、形式的メタ解析)で同定した。この対立遺伝子は、アルコール性慢性膵炎でも豊富であった。細胞モデルにおいてCEL-HYBの発現を行うと、脂肪分解活性の減少、分泌の阻害、顕著な細胞内の蓄積、オートファジーの誘導が見られた。これらの知見から、慢性膵炎で見られる膵腺房細胞のプロテアーゼ-アンチプロテアーゼ系とは異なる新しい経路の存在が示唆される。

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