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てんかん性脳症:KCNA2de novo型機能喪失および機能獲得変異はてんかん性脳症を引き起こす

Nature Genetics 47, 4 doi: 10.1038/ng.3239

てんかん性脳症は、表現型と遺伝子型が共に多様である重篤なてんかんのグループで、知的障害をはじめとする神経発達に関わる特徴的な症状を伴う。今回、血縁関係にないてんかん性脳症患者6人に対して、次世代シーケンサーを使った配列決定を行い、4つのde novo変異を、カリウムチャネルKV1.2をコードしているKCNA2に同定した(1つの変異は患者3人に出現していた)。4人の患者に、熱性ないしは複数回出現する無熱性の頻度の高い焦点性発作、睡眠時に顕著に賦活される多焦点性てんかん様放電、軽度から中等度の知的障害、発達性言語障害、場合によっては運動失調が見られた。この症状に関連している2つの変異について機能解析を行ったところ、ドミナントネガティブな効果によるほぼ完全な機能喪失が明らかになった。他の2人の患者は、上記4人とは異なる、より重篤なてんかん性脳症の症状を呈していた。これらの患者は、劇的な機能獲得効果を引き起こして、チャネルの恒久的な開口を招く変異を持っていた。今回の研究成果によってKCNA2が、KV1.2発現ニューロンの過興奮もしくは放電なしのいずれかの2種類の機序を介して、ヒトの神経発達障害に関与している新たな遺伝子であることが明らかになった。

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