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白血病:若年性骨髄単球性白血病のゲノムの全体像

Nature Genetics 47, 11 doi: 10.1038/ng.3400

若年性骨髄単球性白血病(JMML)は小児期の骨髄増殖性新生物(MPN)で、予後は不良である。患者の85%にNF1NRASKRASPTPN11あるいはCBLの変異が起こっているが、現在、どの患者が従来の治療法に抵抗性を示すか、したがって実験的治療の候補になる可能性があるかを予測できるリスク層別化アルゴリズムは存在しない。さらに、RAS-MAPK経路を除いて、そのような新しい治療戦略の基盤になる可能性のある分子経路はほとんど同定されていない。そこで我々は、JMMLにおける変異の範囲について理解を深める目的で、患者の診断時から再発を経て、急性骨髄性白血病への転換までの検体ゲノムの経時的な特徴付けを行うことにした。その結果、シグナル伝達、スプライシング、ポリコーム抑制複合体2(PRC2)、転写に関与する遺伝子に頻発する変異が同定された。診断時に存在する体細胞の異常がどれくらいの数に上るかが、転帰の主要な決定要因であると考えられることは重要である。

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