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心疾患: 1000人ゲノムに基づいて行う冠動脈疾患についての包括的なゲノムワイドメタ解析

Nature Genetics 47, 10 doi: 10.1038/ng.3396

これまでに得られている冠動脈疾患(CAD)のリスクに影響を与える遺伝的バリアントは、頻度の高いSNPを用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)によるところが大きい。1000人ゲノムプロジェクトのフェーズを合わせたハプロタイプを利用して得られた、670万個の頻度の高いバリアント〔マイナー対立遺伝子頻度(MAF)>0.05〕と270万個の頻度の低いバリアント(0.005<MAF<0.05)を使って、約18万5000人のCAD患者と対照群に対して行ったGWASメタ解析の結果を報告する。これまでに知られているCADと関連した座位のほとんどが確認できた上に、血管壁の生物学的過程に関与していることが新しく分かった原因遺伝子候補を含む10個の新しい座位(うち8つが相加的、2つが劣性)を同定した。同一座位内での対立遺伝子の異質性を認めたが、頻度の低いバリアントが大きな効果を認める証拠はほとんど見られず、合成的関連はまったく見られなかった。我々の解析は、CADの詳細な遺伝的構造を包括的に探索したものであり、この生活習慣病の遺伝的感受性が、主として小さな効果を示す頻度の高いSNPによって決まることを示している。

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