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ポリコーム抑制複合体:ポリコーム抑制複合体PRC1はマウス胚性幹細胞ゲノムを空間的に拘束する

Nature Genetics 47, 10 doi: 10.1038/ng.3393

ポリコーム抑制複合体のPRC1およびPRC2は、細胞系譜特異的な発生調節因子遺伝子を抑制することにより胚性幹細胞(ES細胞)の多能性を維持する。ポリコーム複合体は空間的なゲノム構成を制御することで機能するという証拠が示されつつある。本論文では、PRC1が三次元相互作用ネットワークの遺伝子を組織化することにより、マウスES細胞ゲノム構造のマスター調節因子として機能することを示す。最も強力な空間的ネットワークは4つのHox遺伝子クラスターと初期発生に関わる転写因子遺伝子から構成されており、その大部分が待機状態のエンハンサーと接触している。ポリコームによる抑制が解除されると、Hox遺伝子ネットワークのプロモーターとプロモーターの接触が見られなくなり、代わりに、プロモーターとエンハンサーの接触が起こり、それは、ネットワークのエンハンサーでの活性型クロマチンの獲得と、ネットワークの遺伝子転写の明らかな上昇を伴っていた。従ってPRC1は、抑制されているが待機状態の空間的ネットワークにおいて、発生に関わる転写因子遺伝子やそのエンハンサーを物理的に拘束している。我々は、この空間的ネットワークから遺伝子を選択的に放出させることが初期胚発生過程での細胞運命の特殊化の基礎であると提案する。

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