Article

エピジェネティクス:活性クロマチンを表すカノニカルな標識の欠如は発生において調節される遺伝子の一般的な特徴である

Nature Genetics 47, 10 doi: 10.1038/ng.3381

活性および抑制性のヒストン修飾の相互作用は遺伝子発現調節において重要な役割を担っていると考えられる。今回我々は、この一般に受け入れられている考えとは対照的に、ハエや蠕虫の発生過程では、時間的な制御の下に調節される遺伝子の転写は、カノニカルな活性化ヒストン修飾なしに起こることを示す。一方、クロマチン修飾が強固に起こるのは、転写および転写後の安定性に関連しており、この関連は哺乳類においても観察された。我々の結果は、クロマチンの標識がRNAの安定な産生に関連し、発生過程での遺伝子の急速な活性化や脱活性化は、標識されていないクロマチンで起こり得るとするモデルを裏付けている。後者の場合では、転写因子による調節が、クロマチン標識に比較して重要性を増すと考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度