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フォークト・小柳・原田症候群:ゲノムワイド関連解析から、フォークト・小柳・原田症候群易罹患性に関連する2か所の新たな座位が1p31.2 と10q21.3に同定された

Nature Genetics 46, 9 doi: 10.1038/ng.3061

フォークト・小柳・原田(VKH)症候群の新たな遺伝的リスク因子の同定を目的として、症例774例および対照群2,009例を対象に、2,208,258個の SNPについてゲノムワイド関連解析を行った。続いて関連再現性確認解析を2回、症例415例、対照群2,006例、さらに症例349例、対照群1,588例に対して行った。3回の解析の対象は全て漢民族系中国人である。その結果、VKH症候群易罹患性に関連する3か所の座位(ゲノム領域)を明らかにした(IL23R-C1orf141、rs117633859、Pcombined=3.42×10−21、オッズ比 (OR)=1.82、ADO-ZNF365-EGR2、 rs442309、Pcombined=2.97×10−11、OR=1.37、HLA-DRB1/DQA1、rs3021304、Pcombined=1.26×10−118、OR=2.97)。5つの非HLA遺伝子は、例外なくヒトの虹彩組織において発現していた。IL23Rは毛様体でも、EGR2は毛様体および脈絡膜で発現が認められた。IL23Rのプロモーター領域に存在するrs117633859のリスク対立遺伝子であるG対立遺伝子は、細胞を用いたレポーター遺伝子の発現アッセイで転写活性の低下を示し、ヒト末梢血単核球におけるIL23R mRNAの発現低下に関連していた。

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