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白血球減少症:NUDT15の一般的なミスセンス変異はチオプリン誘発性白血球減少症の感受性に寄与する

Nature Genetics 46, 9 doi: 10.1038/ng.3060

チオプリン系薬剤による治療は、一般的に自己免疫疾患に用いられるが、致死的な白血球減少症を伴うことがある。この白血球減少症はTPMT(チオプリンS-メチルトランスフェラーゼをコードする)の遺伝的変化に関連している。アジア系の人におけるTPMT変異の頻度は低いにもかかわらず、チオプリン誘発性白血球減少症の発症率は、アジア系の人の方が、ヨーロッパ系の人よりも高い。本論文では、チオプリン系薬剤による治療を受けた韓国人のクローン病患者978人において、イムノチップを基盤とする2段階の関連研究を行った。我々は、NUDT15の非同義SNP(p.Arg139Cysをコードする)が、チオプリン誘発性の早発型白血球減少症に強い関連を示したことを示す〔オッズ比(OR)=35.6、Pcombined=4.88×10−94〕。韓国人においては、この変異は、チオプリン誘発性の早発型白血球減少症の感受性の89.4%および特異性の93.2%を実証した(比較として、TPMTの変異は、その感受性の12.1%および特異性の97.6%を説明する)。このSNPは、まれであるが、炎症性腸疾患のヨーロッパ系患者において、チオプリン誘発性白血球減少症にも強い関連を示した(OR=9.50、P=4.64×10−4)。従って、NUDT15は、さまざまな集団におけるチオプリン誘発性白血球減少症の薬理遺伝学的決定要因である。

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