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イネ:アフリカイネ (Oryza glaberrima) のゲノム配列と単独の栽培化の証拠

Nature Genetics 46, 9 doi: 10.1038/ng.3044

アフリカでのコメの栽培の始まりは、3,000年以上前にさかのぼる。興味深いことに、アフリカイネはアジアイネ (Oryza sativa L.) とは祖先を同じくしておらず、むしろ全く異なる種である (Oryza glaberrima Steud)。我々は 、O. glaberrimaゲノムに対する高品質なアセンブリとアノテーションを行い、栽培化と選択が起こった進化の歴史を詳細に解析した。O. glaberrimaの20登録とOryza barthiiの94登録について、集団ゲノム学的解析を行ったところ、O. glaberrimaの栽培化はアフリカ中の各所で起きたのではなく、ニジェール川沿いの単一の地域で起こったという仮説を裏付ける結果が得られた。栽培化に関係があるものとして知られているO. sativa遺伝子とオーソログ関係にある一連のO. glaberrima遺伝子をはじめ、ゲノムワイドスケールで人為的な選択が起こった証拠が検出された。このことから、2つの地理的および文化的に異なる栽培の過程で、共通の遺伝子セットが独立に選ばれ、収斂ではあるが独立して選択が起こったことを示している。

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