Letter

放射線治療:3段階のゲノムワイド関連研究から2q24.1に放射線治療による遅発性毒性の感受性座位が同定される

Nature Genetics 46, 8 doi: 10.1038/ng.3020

放射線誘発性毒性の発現に遺伝的変異が担う役割を裏付ける証拠が増加している。しかし、候補遺伝子を探索するこれまでの関連研究では、この表現型(放射線治療終了の何年も後に発現することが多い)の原因となる頻度の高い変異を解明できなかった。我々は、外部ビーム放射線療法(EBRT)の治療を受けた前立腺がん患者741人からなるスペイン人コホートについてのゲノムワイド関連研究を行った。追試コホートは、第2段階として英国の633症例、および第3段階として北米の368症例から構成した。TANC1から成る1座位〔全遅発性毒性の未補正最低P値=6.85 × 10 − 9、オッズ比(OR)=6.61、95%信頼区間(CI)=2.23 − 19.63〕は、第2段階で、この表現型との関連の再現性が確認された〔全遅発性毒性の未補正最低P値=2.08 × 10 − 4、OR=6.17、95% CI=2.25 − 16.95。Pcombined=4.16 × 10 − 10〕。第3段階のコホートも含むと、未補正Pcombined=4.64 × 10 − 11であった。これらの結果は、損傷を受けた筋肉の再生にTANC1が担う役割とともに、TANC1座位が放射線誘発性の遅発性損傷の発現に影響を与えることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度