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胸腺腫:GTF2Iの特定のミスセンス変異が胸腺上皮性腫瘍に高頻度で生じている

Nature Genetics 46, 8 doi: 10.1038/ng.3016

28例の胸腺上皮性腫瘍(TET)について次世代シーケンサーを用いて塩基配列を解読した結果、比較的緩慢性のサブタイプであるA型胸腺腫においてGTF2Iに見られる高頻度のミスセンス変異(7番染色体のc.74146970T>A)を同定した。一連の274個のTETでは、A型胸腺腫の82%およびAB型胸腺腫の74%にGTF2Iの変異を検出した。しかし、侵攻性のサブタイプにおいては、既知のがん遺伝子の頻発する変異が同定されたが、GTF2Iの変異はほとんど検出されなかった。従って、GTF2I変異は、予後良好と相関していた。TETでは、GTF2Iのβおよびδのアイソフォームが発現していたが、そのどちらの変異型アイソフォームもin vitroの細胞増殖を促進できた。胸腺がんは胸腺腫よりも多くの変異を保持していた(平均の変異数は胸腺がん43.5個および胸腺腫18.4個)。胸腺がんにおいて、TP53CYLDCDKN2ABAP1PBRM1を含む、既知のがん遺伝子に頻発する変異が同定されたことは重要である。これらの知見は、これらの腫瘍の診断的評価を補足し、また、病気の分子的分類の開発や、予後および治療戦略の評価にも役立つだろう。

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