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食道扁平上皮がん:食道扁平上皮がんのゲノムおよび分子的な特徴付け

Nature Genetics 46, 5 doi: 10.1038/ng.2935

食道扁平上皮がん(ESCC)は、世界的によく見られ、特にアジアの一部では一般的である。 本論文では、ESCC症例とそれに対応する正常組織139組についての全エキソーム配列決定あるいは高深度標的配列決定、およびESCC症例180例以上についての体細胞コピー数多型(SCNV)解析を報告する。我々は、これまでに明らかになっている変異遺伝子(TP53PIK3CANOTCH1)に加えて、FAT1FAT2ZNF750KMT2Dなどのこれまでには特徴が明らかになっていない変異遺伝子を同定した。さらにSCNVの評価、免疫組織学的解析および生物学的解析から、ESCCにSCNVが機能的に関連することが示唆された。このがんでは、RTK-MAPK-PI3K経路、細胞周期およびエピジェネティクスの調節が、複数の分子機構によって異常調節を受けている場合が多いことが重要である。また、今回のアプローチは、薬剤となる可能性がある多くの候補も明らかにしたが、XPO1については、遺伝子変異およびタンパク質の過剰発現が示されたため、治療標的としてさらに検討した。今回の統合研究は、ESCCにおける多くの新規遺伝学的変化を明らかにし、また、食道腫瘍の理解および治療標的の開発のための重要な分子的基盤となるものである。

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