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シシバナザル類における全ゲノム塩基配列決定は葉食性と進化の歴史についての手掛かりを与える

Nature Genetics 46, 12 doi: 10.1038/ng.3137

コロブス亜科のサルは、果実や虫ではなく、葉や種子を主に食べる独特な旧世界ザルである。我々は、シシバナザル類のキンシコウ(Rhinopithecus roxellana)のゲノムについて、146倍のカバレージで塩基配列決定し、de novoアセンブルと解析を行った。また、3つの近縁種(Rhinopithecus bietiRhinopithecus brelichi、およびRhinopithecus strykeri)について、30倍のカバレージで塩基配列再決定を行ったので報告する。比較解析した結果、アジアのコロブス亜科のサルは脂肪酸からエネルギーを取り出す能力や、外因性の化合物を分解する能力が向上していることが明らかになった。また、コロブス亜科のサルのRNASE1遺伝子に関して、機能上の進化の証拠を見いだした。この遺伝子がコードする分泌性RNaseは、共生する微生物群に由来する高濃度の細菌RNAを切断する酵素として重要である。集団統計学的な再構築により、R. roxellanaの祖先の有効集団サイズのプロファイルは、同属の種よりジャイアントパンダのそれに似ていることが示された。これらの知見は食物に関する適応とコロブス亜科のサルの進化の歴史について新しい手掛かりを提供するものである。

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