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コピー数多型:コピー数多型についての絞り込み解析により発達遅滞に関連する複数の特異的遺伝子を同定

Nature Genetics 46, 10 doi: 10.1038/ng.3092

コピー数多型(CNV)は、多くの神経認知障害に関連しているが、これらの事象は通常は大規模な領域にわたるため、その根本的な原因遺伝子は明らかでない。我々は、発達遅滞の見られる小児29,085人と健康な対照群19,584人との比較を行って、これまでの研究を拡大したCNV存在率地図を作成し、70個の有意なCNVを同定した。我々は、さらに発達遅滞あるいは自閉症の患者(症例)4,716人と対照群2,193人において、候補遺伝子26個について配列再決定を行った。CNVおよび一塩基多型(SNV)のデータを統合して解析した結果、機能喪失が推定される変異が多く存在する10個の遺伝子を突き止めた。罹患者の一部による追試から、小児科疾患の新しい臨床的サブタイプと、疾患関連CNVの原因となる遺伝子を同定した。これらに見られる遺伝的な変化には、知的障害や言語障害に関連するSETBP1のハプロ不全、および自閉症、攻撃性、および複雑な神経精神疾患の特徴が見られる人におけるZMYND11の短縮がある。このようなCNVおよびSNVの統合的アプローチは、大規模な遺伝的異質性のある条件下でも、神経精神疾患に関与する新しい症候群や遺伝子を迅速に発見することができる手法である。

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