Article

相同組換え:マウスでの四分子解析から組換え機構とホットスポットの進化動態を理解する手掛かりが得られる

Nature Genetics 46, 10 doi: 10.1038/ng.3068

DNA二本鎖切断(DSB)により開始する相同組換えの機構を明らかにするためには、1回の減数分裂で生じる酵母の4胞子由来の4つの全染色分体を調べることが不可欠である。そこで今回、1回の減数分裂で生じる染色分体の解析に広く用いられる戦略を用いて、マウスの卵母細胞および精母細胞の2種類の組換えホットスポットについて解析した。その結果、交差および非交差の両方において、情報の一方向性の移行(遺伝子変換)が起こったことを明らかにした。交差における遺伝子変換は相互交換を伴うが、無傷の染色分体は非交差遺伝子変換で変化がないことから、非交差は異なる経路から起こるという強力な証拠が得られた。遺伝子変換は、ホットスポット特異的タンパク質PRDM9の結合部位を使用しないことが多く、その結果、ホットスポットの消滅が遅延する。従って、マウスでの四分子解析により、哺乳類における特徴的な組換え機構が、組換えホットスポットにおける進化の動力学に影響する仕組みが明らかになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度