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小児脳腫瘍:毛様細胞性星状細胞腫において高頻度でみられるFGFR1および NTRK2の体細胞変異

Nature Genetics 45, 8 doi: 10.1038/ng.2682

毛様細胞星状細胞腫は最もよくみられる小児の脳腫瘍であり、通常、マイトジェン(分裂促進因子)活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路に変化が起こっている。外科的処置が難しい正中部の腫瘍はその治療がやっかいで、進行が持続する傾向があり、かなりの病的状態を伴う慢性疾患となることが多い。本研究では、国際がんゲノムコンソーシアム〔International Cancer Genome Consortium(ICGC)〕の小児脳腫瘍プロジェクト(PedBrain Tumor Project)で行われた、96の毛様細胞星状細胞腫検体の全ゲノム塩基配列決定〔該当するRNA配列決定(総数73検体)を含める〕について述べる。その結果、頻度の高い活性化変異をFGFR1およびPTPN11に、さらに小脳腫瘍以外の腫瘍において新たなNTRK2融合遺伝子を同定した。これまで報告されていないBRAFの活性化変異も見つかった。MAPK経路の変異が今回調べたすべての腫瘍検体で影響を及ぼし、その他に大きな影響を与える変異は存在しなかった。これは、毛様細胞星状細胞腫がただ1つの経路に生じた変異に起因する疾患であることを示している。特に興味深いのは、特定のFGFR1変異が、H3F3A変異を持つ小児膠芽細胞腫の病型でも見つかったことである。この病型では、NF1の変異も含まれている。今回の成果は、乳様細胞星状細胞腫および小児膠芽細胞腫の特定の病型における、新たな治療標的候補を特定するものである。

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