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卵形成:マウスにおいて卵母細胞分化は減数分裂と遺伝的に分離可能である

Nature Genetics 45, 8 doi: 10.1038/ng.2672

卵形成は、卵巣の生殖細胞が減数分裂を経て、分化し、卵になる過程である。マウスにおいては、Stra8が減数分裂開始の染色体事象に必要であるが、分化におけるStra8の役割は解明されていない。本論文では、Stra8欠損卵巣生殖細胞は、成長および分化して卵母細胞様細胞になり、透明帯の合成や、周囲の体細胞を組織化して卵胞の形成を行うこと、また、ホルモン刺激に応答して排卵されると、非対称性細胞分裂を経て極体を産生し、受精時には卵割により二細胞期胚を形成することを報告する。これらの事象は、減数分裂前染色体複製、姉妹染色分体接着、対合あるいは組換えを行わずに起こる。したがって、卵母細胞の成長と分化は、減数分裂の染色体事象とは遺伝的に分離可能である。これらの知見は、機能的な卵作製のための、減数分裂と卵母細胞分化の独立した寄与についての研究に道を開くものである。

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