Letter

高密度リポタンパク質:全ゲノム配列を利用した、高密度リポタンパク質コレステロールの遺伝的解析

Nature Genetics 45, 8 doi: 10.1038/ng.2671

全ゲノム塩基配列データを精査することによって、複合形質の遺伝的背景についての特性解析を初めて行ったので報告する。解析対象の複合形質として、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)量を選択した。具体的には、CHARGE(Cohorts for Heart and Aging Research in Genetic Epidemiology)解析の際に集められた962人について全ゲノム塩基配列決定およびその特性解析を行った。今回の解析から、配列の一般的な多様性は稀な変化よりも、HDL-C量の遺伝率に大きく影響することが推定できた。また、脂質異常症発症リスクを担うメンデル変異のスクリーニングから、HDL-C量が極値を示す患者が特定された。今回の全ゲノム配列決定解析はまた、タンパク質コード領域だけでなく、ゲノムの調節領域およびタンパク質非コード領域の重要性を浮き彫りにした。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度