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ルベラナズナ(Capsella rubella)のゲノムと交配系の急速な進化によるゲノムの成り立ち

Nature Genetics 45, 7 doi: 10.1038/ng.2669

花を咲かせる植物では、異系交配から自家交配への移行はよくあるが、ゲノムの成り立ちと、出現に至った速度はあまりよくわかっていない。ルベラナズナは、自家受精の進化を解明するための格好のモデルであり、20万年前より以降から自家受精が可能になっている。ここではルベラナズナの参照ゲノム配列を決め、RNA発現と多型パターンをルベラナズナとその異系交配種の原種にあたるオオバナナズナ(Capsella grandiflora)で比較した。その結果、およそ100万年前に自家受精が現れたシロイヌナズナ(Arabidopsis)にみられるのと同じような、花の形成の表現型に関連した遺伝子発現への明瞭な移行が見いだされた。2つのナズナ(Capsella)種の比較から、ルベラナズナでは大量にある転移因子に伴った変化はみられないが、急激な全ゲノムにわたる純化選択の緩和の証拠が見いだされた。総じて自家受精への移行は、際立った純化選択の減少に伴って、遺伝子発現の並行移行により、類型化できることが示された。

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