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B細胞性非ホジキンリンパ腫:B細胞性非ホジキンリンパ腫のゲノムワイド関連研究で3q27が中国人では感受性座位であることが判明した

Nature Genetics 45, 7 doi: 10.1038/ng.2666

B細胞系列に由来する非ホジキンリンパ腫(NHL)の原因になっている遺伝的リスク因子を見つけるため、B細胞性NHL の253人の中国人罹患者(症例)と1,438人の対照群についてゲノムワイド関連研究を行い、さらに1,175人の症例、5,492人の対照群により確認研究を行った。本論文では、新しい感受性座位rs6773854を見つけたので報告する。その座位は、がん遺伝子を多く含む染色体3q27上でBCL6(B細胞リンパ腫タンパク質6をコード)とLPP(脂肪腫相関因子をコード)の間に存在し、B細胞性NHL(メタ解析でのP = 3.36×10−13、対立遺伝子あたりのオッズ比(OR)= 1.44)、特に瀰漫性大細胞性Bリンパ腫(DLBCL)(メタ解析でのP = 1.14×10−11、OR = 1.47)のリスク増加に有意の関連を示した。rs6773854は、非B細胞性NHL〔T細胞性やナチュラルキラー細胞(NK)系〕との関連は認めず(P = 0.17、OR = 1.12)、B細胞系と非B細胞系の間で著明な多様性を観察した(Phet = 0.01、I2 = 84%)。我々の結果はBCL6LPPの間の遺伝子間部位の生殖細胞系列亜系がB細胞リンパ腫の発生に一定の役割を持つことのあかしを提供するものである。

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