Analysis

転写因子結合部位:ヒト転写因子結合部位の自然選択に関するゲノムワイドな推定

Nature Genetics 45, 7 doi: 10.1038/ng.2658

遺伝子制御はヒトの進化に中心的な役割を果たしているという仮定が、この数十年間受け入れられているが、遺伝子制御の変異についてのゲノムワイドな影響については、大部分が依然として未知のままである。今回、私たちは、全ゲノム塩基配列決定とゲノムワイドなクロマチン免疫沈降、および塩基配列のデータを用いて、ヒトがチンパンジーから分岐した400〜600万年前以来、自然選択がヒト転写因子結合部位に大きな影響を与えてきたことを明らかにした。私たちの解析では、長さが短く、ゲノム中に散在する非コードDNAの集合に対しての自然選択の影響を測定するのに、INSIGHTという新しい確率論的手法を用いた。その結果、転写因子結合部位は概ね、タンパク質をコードする遺伝子よりもいくぶん弱い選択を受けていたことが見いだされた。しかし、いくつかの転写因子に対する結合部位は、適応の明らかな証拠を示している。選択の度合いが、予測された結合の親和性と強く関連するものもある。全般的に、制御配列DNAはヒトの進化や疾患に重要な影響を及ぼす適応的置換と有害な遺伝子多型の両方に大いに寄与していると考えられる。

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