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心疾患:多発性先天性心臓疾患の表現型に関するゲノムワイド関連解析から心房中隔欠損の感受性座位が染色体4p16に存在することが明らかになった

Nature Genetics 45, 7 doi: 10.1038/ng.2637

先天性心疾患(CHD)についてのゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。検出用(ディスカバリー)コホートとして、CHD症例1,995例および対照群5,159例を取り上げた。症例コホートには、CHDのうち臨床上の3つの主要なカテゴリー(中隔欠損症、閉塞性障害、チアノーゼ性障害)のそれぞれの罹患者を含めた。全てのCHD表現型をまとめて考えたところ、ゲノムワイドに有意な関連を示すゲノム領域は見つからなかった。ところが検出用コホート(ASDは全部で340症例)において、MSX1および STX18近傍の4p16ゲノム領域が二次孔欠損型心房中隔欠損症(ASD)発症リスクと関連を示すことが明らかになった(P = 9.5 ×10−7)。この関連は、ASD症例417例、対照群2,520例から成る、新たなコホートにおいて再現性が確認された(再現性確認解析におけるP = 5.0×10−5、確認解析用コホートでのオッズ比(OR)= 1.40、95%信頼区間(CI)= 1.19~1.65、検出+確認解析の合算でP = 2.6×10−10)。今回関連が判明した遺伝子型は、集団におけるASD発症リスクのおよそ9%を占めていた。

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