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Vel血液型:SMIM1はVel血液型を決定する遺伝子であり、赤血球の形質に影響を与える

Nature Genetics 45, 5 doi: 10.1038/ng.2603

Vel血液型は60年前に発見されたが、この血液型を決定する遺伝子は解明されていない。Vel抗原陰性の人が稀に存在するので、そうしたVelに対する抗体を持つ患者への安全な輸血が必要とされている。この血液型を決定する遺伝子を同定するために、Vel抗原陰性の5人のエキソームの配列を決定し、78アミノ酸からなる膜貫通型タンパク質SMIM1をコードする遺伝子において、低頻度の17ヌクレオチドのフレームシフト欠失のホモ接合性を4人、ヘテロ接合性を1人見いだした。追試研究から、64人のVel陰性の人のうちの59人が、同じ欠失をホモ接合性で持つことが明らかになり、また、SMIM1導入細胞にVel抗原の発現がみられたことから、SMIM1がVel血液型に関与する遺伝子であることが確認された。発現量的形質座位(eQTL)である一般的なSNP rs1175550は、Vel抗原の多様な発現に寄与し(P=0.003)、また、赤血球の平均ヘモグロビン濃度に影響を与える(RBC、P = 8.6×10−15)。in vivoでは、smim1がノックダウンされたゼブラフィッシュは、RBC数の軽度減少を示すことから、SMIM1がRBC形成の新しい調節因子であることが明らかになった。この欠失をホモ接合性で持つことを明らかにすることで、Vel陰性供血者を絶対的に同定できるので、我々の知見は臨床に直結するものである。

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