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交差:RNF212は哺乳類の減数分裂過程での交差の遺伝子量感受性の調節因子である

Nature Genetics 45, 3 doi: 10.1038/ng.2541

交差は、減数分裂過程での正確な染色体分離を保証している。また、減数分裂過程では、組み換え部位の大部分が非交差であるが、すべての染色体対に少なくとも1回の交差が起こる。交差を調節していると推定される因子はRNF212である。RNF212はヒトの交差率の多様性に関連している。我々は、マウスRNF212が交差に不可欠であり、染色体対合と交差特異的組み換え複合体の形成を共役させるように機能することを示す。一部の組み換え部位にRNF212を選択的に局在させることが、交差を指定する過程における初期の重要な段階であることがわかった。RNF212は、このような組み換え部位で、MutSγ複合体(MSH4-MSH5)を含む、減数分裂特異的組み換え因子を安定化する機能を担う。我々は、主要な組み換えタンパク質の選択的な安定化が、減数分裂過程での交差の制御の基本的な特徴であると推測する。ハプロ不全から、RNF212が交差制御の律速因子であることが示され、また、ヒトの対立遺伝子が、RNF212タンパク質の量あるいは安定性を変化させる可能性、および異数性疾患のリスク要因である可能性が浮上した。

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