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C型肝炎:新しいインターフェロン遺伝子IFNL4を生じるIFNL3IL28B)上流の多様体はC型肝炎ウイルスの除去障害に関連する

Nature Genetics 45, 2 doi: 10.1038/ng.2521

C型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染は肝硬変や肝がんの一般的な原因である。我々は、HCV感染を模倣するため、合成二本鎖RNAで活性化したヒト初代培養肝細胞のRNA配列の塩基配列決定を行った。染色体19q13.13のIFNL3IL28B)の上流に、2塩基の配列多様体ss469415590(TTあるいはΔG)を持つ、一過性に誘導される領域を新しく発見した。これは、HCVの除去と強力な関連を示す遺伝的マーカーであるrs12979860と高い連鎖不平衡にある。ss469415590[ΔG]は、インターフェロンλ4タンパク質(IFNL4)をコードする新規遺伝子IFNL4を生じるフレームシフト多様体である。なお、IFNL4はIFNL3に中程度の類似性を示す。rs12979860と比較すると、ss469415590は、ヨーロッパ人とアジア人においては同等にHCVの除去に関連するが、アフリカ系の人においてはss469415590がHCVの除去により強く関連する。肝がん細胞株においてIFNL4を一過性に過剰発現させると、STAT1およびSTAT2のリン酸化や、インターフェロン誘導遺伝子の発現が誘導された。我々の知見はHCV除去の遺伝学的調節およびその臨床管理の新しい手がかりとなる。

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