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骨・軟骨腫:H3F3AおよびH3F3Bの異なるドライバー変異が軟骨芽細胞腫および骨巨細胞腫を定義する

Nature Genetics 45, 12 doi: 10.1038/ng.2814

あるがんで変異の見られる遺伝子が、多くのタイプのがんの発症に関与していることもあれば、特定のタイプのがんの発症にのみ関与する遺伝子もある。同様に、多数のクラスのがんにおいて変異が見られる遺伝子については、その変異が異なるクラスのがんにおいても見られることが多い。しかし、本論文では、異なるヒストンH3.3のドライバー変化の精巧な腫瘍タイプ特異性を報告する。軟骨芽細胞腫の77症例のうちの73症例(95%)では、H3F3B(ヒストンH3.3の2つの遺伝子のうちの1つ)にコードされるp.Lys36Met変化が優性であることがわかった。対照的に、骨巨細胞腫の92%(49/53症例)では、ヒストンH3.3の変化はH3F3Aにのみ見られ、p.Gly34Trp変化あるいは、1症例でのp.Gly34Leu変化であった。これらの変異は、間質細胞集団に限局されており、破骨細胞あるいはその前駆細胞集団には検出されなかった。これまでに報告されたH3F3Aの変異は、小児脳腫瘍におけるp.Lys27Metおよびp.Gly34Argあるいはp.Gly34Valをコードする変化であり、ヒストンH3.3のドライバー変化の腫瘍タイプ特異性に顕著な特徴が現れたことから、ヒストンH3.3の残基、変異、遺伝子は異なる機能を持つことが示された。

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