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骨代謝と筋:BMPシグナル伝達が筋肉量を制御する

Nature Genetics 45, 11 doi: 10.1038/ng.2772

細胞の大きさはタンパク質の合成と分解の間のバランスによって決まる。この平衡は、ホルモン、栄養、エネルギーレベル、機械的ストレス、サイトカインの影響を受ける。ミオスタチンを不活性化する変異は、動物およびヒトにおいて過剰な筋成長を引き起こすが、この筋肥大の原因となるシグナルや経路はほとんど分かっていない。本論文では、骨形成タンパク質(BMP)シグナル伝達は、Smad1、Smad5、Smad8(Smad1/5/8)を介して作用する、マウスにおける基本的な筋肥大性シグナルであることを示す。BMPシグナル伝達の抑制は、筋萎縮の誘導、ミオスタチン欠損マウスの肥大性表現型の消失、除神経や絶食の効果の強度の増悪を引き起こす。BMP-Smad1/5/8シグナル伝達は、筋肉量低下に必要なユビキチンリガーゼをコードする遺伝子(Fbxo30)を負に調節する。我々は、この遺伝子をmuscle ubiquitin ligase of the SCF complex in atrophy-1(MUSA1)と命名した。まとめると、これらのデータは、成体での筋肉の維持、成長および萎縮にBMP経路が重要な役割を担っていることを示している。

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