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加齢黄斑変性症:加齢黄斑変性症と関連する補体第3因子(C3)のまれなコード配列の変異の同定

Nature Genetics 45, 11 doi: 10.1038/ng.2758

黄斑変性は高齢者における失明の一般的な原因の1つである。加齢黄斑変性症(AMD)の発症リスクの大幅な上昇に関連するコード配列の希少な変異を同定するため、2,335例の症例と789例の対照群について、10個の候補ゲノム領域(57遺伝子)の塩基配列を決定した。ここで、 検出力を上げるために、遺伝的祖先が一致しているエキソーム解析済みの対照群を加えることで、対照群のデータセットを増補した。AMD 2,268例、およびそれと祖先が同じ2,268例の対照群についてコード配列の多様性を調べたところ、効果量の大きい2つのまれな変異を検出した。すなわち、これまでに報告されているCFH遺伝子にコードされているp.Arg1210Cys〔症例における変異対立遺伝子の頻度(fcase) = 0.51%、対照における頻度 (fcontrol) = 0.02%、オッズ比(OR) = 23.11〕と、新たに判明したC3遺伝子にコードされているp.Lys155Gln〔fcase = 1.06%、fcontrol = 0.39%、OR = 2.68〕である。これらの変異の存在から、AMD発症の生物学的な機序を構成する重要な要素として、補体H因子によるC3を抑制する機能が低下し、結果的に補体第2経路の活性化が亢進することが示唆された。

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