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加齢黄斑変性症:C3の希少な非同義配列は加齢黄斑変性症の高い発症リスクに関連している

Nature Genetics 45, 11 doi: 10.1038/ng.2740

アイスランド人2,230人の全ゲノム塩基配列を決定し、補体第3因子の遺伝子であるC3に、p.Lys155Glnというアミノ酸置換が生じた希少な非同義SNPを検出した(マイナー対立遺伝子の頻度 = 0.55%)。続いて、アイスランド人の加齢黄斑変性症(AMD)患者(症例)と健常者(対照)を対象としたコンピュータ予測に基づく関連解析を行い、このSNPと疾患発症との関連を明らかにした(OR = 3.45、P = 1.1×10−7)。今回検出されたシグナルは、これまでに報告されているC3のAMD関連高頻度SNP(p.Pro314Leuおよびp.Arg102Glyをコードする)とは別のものであった。p.Lys155GlnとAMDとの関連は、他のヨーロッパ系集団のAMD症例と対照において、OR = 4.22、P = 1.6×10−10で確認され、さらに、検出解析と確認解析をまとめたデータにおいては、OR = 3.65、P = 8.8×10−16であった。in vitro解析から、p.Lys155Gln置換によって、補体H因子に対するC3bの結合能が低下し、それによりH因子による負の調節から免れる可能性が示唆されている。そして、このように負の調節が起こらないことに応答して、補体系の活性化の亢進が予測される。

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