Article

膠芽腫:膠芽腫のドライバーゲノム変異の統合的ランドスケープ

Nature Genetics 45, 10 doi: 10.1038/ng.2734

膠芽腫は治療が最も困難ながん種の1つである。本論文では、コピー数変化や体細胞変異を取り入れて、膠芽腫のインフレームの遺伝子融合の全体像を明らかにするようなコンピュータープラットフォームについて述べる。我々はCUL3含有E3リガーゼ複合体のアダプターをコードしているLZTR1にヘテロ接合性の消失を伴う変異を見つけた。その変異と欠失は、自己複製能と幹細胞の特性を保持する腫瘍細胞塊(glioma sphere)の増殖を抑制するLZTR1の機能を破壊する。CTNND2の機能喪失変異は神経特異的な遺伝子を標的とし、非常に侵襲的な間葉系の表現型を持ったグリア細胞のトランスフォーメーションを引き起こす。我々はまた、EGFRのコード配列に対応する配列に融合するような転座が高頻度に見られ、ヒトの膠芽腫で起きる機能的遺伝子融合はEGFR-SEPT14であることを見つけた。EGFR-SEPT14の融合はSTAT3シグナル伝達を活性化し、分裂促進因子への非依存性とEGFR抑制に対する感受性を付与する。これらの結果は膠芽腫の病因を明らかにするものであり、治療法開発への新規標的をも教えてくれるものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度