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ハンチントン病:ハンチントン病モデルにおいてグルタチオンペルオキシダーゼは神経保護的な活性を示す

Nature Genetics 45, 10 doi: 10.1038/ng.2732

ハンチントン病は神経変性を伴う不治の病であり、ハンチンチン(Htt)タンパク質のポリグルタミン領域をコードするCAG反復配列の伸長により起こる。抑制因子のゲノムワイド強制発現スクリーニングにより、酵母において変異Httフラグメントの毒性を軽減し、ミトコンドリアへの輸送や銅の代謝を含む種々の細胞過程において役割を果たす317個のORFを同定した。これらの抑制因子のうち2つはグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)をコードしており、過酸化水素や脂肪のヒドロペルオキシドの還元を触媒する、保存された抗酸化酵素であった。酵母、哺乳動物細胞、ショウジョウバエを用いて遺伝学的、薬理学的アプローチをとることにより、GPx活性がハンチントン病に相当するレベルを確実に軽減し、今回ここで調べた他の抗酸化アプローチよりも保護効果が強いことを見出した。特に注目すべきは、GPx活性は他の抗酸化治療と違い、変異Httを取り除くにあたり重要なメカニズムであるオートファジーを抑制することがないことを見出した。過去の臨床試験により、GPx製剤はヒトでの耐性が高いことが分かっており、今回の知見がハンチントン病の治療に重要な意味を持つものと考えられる。

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