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白血病:非定型慢性骨髄性白血病において頻発するSETBP1変異

Nature Genetics 45, 1 doi: 10.1038/ng.2495

非定型慢性骨髄性白血病(aCML)は、CMLと臨床所見および検査所見の特徴を共有するが、aCMLではBCR-ABL1融合がみられない。我々は、aCML症例8例のエキソームの塩基配列決定を行い、2例においてSETBP1の体細胞の変化(p.Gly870Ser変化をコードする)を同定した。aCML症例70例、さまざまな血液悪性腫瘍574例、がん細胞株344株において標的を絞って塩基配列再決定を行い、24例においてSETBP1変異を同定した。これには、aCML症例70例のうちの17例が含まれている〔24.3%:95%信頼区間(CI)=16~35%〕。ほとんどの変異(92%)は、コドン858と871の間に位置しており、Schinzel-Giedion症候群の罹患者にみられる変化と同一であった。これらの変異を持つ人は、白血球数が多め(P=0.008)で、予後がより不良であった(P=0.01)。p.Gly870Ser変化によりユビキチン化部位が存在しなくなり、また、この変異型タンパク質を外因的に発現する細胞は、野生型タンパク質を発現する細胞よりも、SETBP1およびSETタンパク質量の上昇、PP2A活性の低下、増殖率の上昇を示した。まとめると、変異したSETBP1は、aCMLおよび類似の疾患に存在する新しく発見されたがん遺伝子である。

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