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心疾患:大規模関連解析により冠動脈疾患のリスクと関連する新しい座位が同定された

Nature Genetics 45, 1 doi: 10.1038/ng.2480

冠動脈疾患(CAD)は最も一般的な死因の1つである。63,746例の冠動脈疾患症例と130,681例の対照群の関連解析により、ゲノムワイドな有意水準に達した15の座位を同定し、CADの感受性座位を46とした。さらに104個の独立した配列多様体(r2 < 0.2)がCADと5%の偽陽性率(FDR)で強く関連していた。結局これらの配列多様体はCADの遺伝率の約10.6%を説明している。ゲノムワイドな有意水準を示す46のリードSNPの中で、12個は脂質代謝と有意な関連性を示し、5個は血圧と有意な関連を示した。しかし、糖尿病と関連したものは1つもなかった。233の候補遺伝子(10%FDRを示す座位)のうち、ネットワーク解析により、5つの相互作用ネットワークが見つかり、CADに関連するこれらの候補遺伝子の85%が含まれていた。これらのネットワークにマッピングされた4つの最も重要な経路は、脂質代謝と炎症に関係しており、CADの遺伝的要因の中でこれらが原因となりうることが強く示唆された。本研究により、CADの遺伝的基盤が明らかとなり、重要な生物学的経路が同定された。

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