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スイカゲノム:スイカの概要ゲノムおよび20のさまざまなアクセションの塩基配列再決定

Nature Genetics 45, 1 doi: 10.1038/ng.2470

スイカ(Citrullus lanatus)は、世界中で栽培されている重要なウリ科植物である。本論文で示すのは、東アジアのスイカ栽培種97103(2n=2x=22)の質の高い概要ゲノム配列であり、タンパ ク質をコードする遺伝子は23,440個が予測されている。比較ゲノミクス解析の結果、7染色体の古六倍体真正双子葉類祖先から11本のスイカ染色体が生じたという進化シナリオが得られた。C. lanatusの3亜種を代表する20のアクセションの配列を再決定することにより、多数のハプロタイプが得られ、遺伝的多様性の程度およびスイカ生殖質の集団構造が明らかになった。そして、栽培化の過程で優先的に選択されたゲノム領域が見つかった。また、栽培化の過程で多数の病害抵抗性遺伝子が失われたことも明らかになった。統合的なゲノミクスおよびトランスクリプトミクス解析では、スイカとキウリに共通の篩部に基づく維管束シグナル伝達に関して重要な洞察が得られるとともに、糖の蓄積やシトルリン代謝など、有用な果実品質の形質にきわめて重要な遺伝子が発見された。

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