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エキソーム塩基配列決定:極端な表現型のエキソーム塩基配列決定によって嚢胞性繊維症におけるDCTN4が慢性の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)感染の修飾因子であることを突き止めた

Nature Genetics 44, 8 doi: 10.1038/ng.2344

エキソーム塩基配列決定は、メンデル疾患の原因となる遺伝子を発見する際には強力かつ有効な戦略である。しかし、エキソーム塩基配列決定を使用して複雑な形質に関連する多様性のある配列を同定することは、決して簡単ではない。その理由の1つは、十分な検出力を得るために必要なサンプルサイズが非常に大きいことがある。同定の効率を上げる戦略の1つとして、表現型分布の両端にある人(極端な表現型の人)の配列を解読することがある。その形質に寄与する対立遺伝子の頻度が、極端な表現型の一端あるいは両端で高くなるため、小さなサンプルサイズであっても、新規の候補遺伝子や対立遺伝子の同定に利用できる可能性があるからである。我々は、国立心肺血液研究所(NHLBI)のエキソーム塩基配列決定プロジェクト(ESP)の一貫として、極端な表現型の研究方法を用いて、ダイナクチンタンパク質をコードするDCTN4の多様性配列が、嚢胞性繊維症の人における、初回の緑膿菌気道感染年齢、慢性緑膿菌感染の開始年齢、ムコイド型緑膿菌の出現にかかる期間に関連していることを発見した。

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