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腎がん:BAP1欠失は新しいクラスの腎細胞がんの指標である

Nature Genetics 44, 7 doi: 10.1038/ng.2323

腎細胞がん(RCC)の分子レベルの発生機構はよくわかっていない。全ゲノムならびにエキソーム塩基配列決定に続いて革新的な腫瘍移植解析(変異対立遺伝子の比率を正確に決めるため)を行うことによりBAP1を含むいくつかの2ヒットがん抑制遺伝子と思われるものを見つけた。BAP1タンパク質は核の脱ユビキチン化酵素で、15%の淡明細胞性RCCで不活性化されている。BAP1は移植腫瘍でHCF-1と共分画され、結合している。HCF-1結合モチーフを壊すような変異はBAP1による細胞増殖抑制を損ねるが、単一ユビキチン化ヒストン2Aのリシン119(H2AK119ub1)の脱ユビキチン化を妨げない。BAP1の欠失は培養RCC細胞の遺伝毒性ストレスに対する感受性を高める。特に、BAP1PBRM1は腫瘍内では逆相関しており(P=9×10−6)、少数のRCCでBAP1とPBRM1が共に欠損すると横紋筋肉腫様の特徴を示す(q=0.0007)。BAP1とPBRM1は相異なる遺伝子発現プログラムを制御しているらしく、BAP1の欠失は悪性度の高さに相関している(q=0.0005)。我々の成果は、RCCの病理と分子遺伝学の統合的な分類の基盤を確立し、遺伝的な弱点を衝いたサブタイプ特異的な治療法の開発に道を開くものである。

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