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皮膚疾患:接合後のHRASおよびKRASの変異は脂腺母斑およびシンメルペニング症候群を引き起こす

Nature Genetics 44, 7 doi: 10.1038/ng.2316

脂腺母斑は、一般的な皮膚の先天異常である。患者は、生涯にわたり母斑に良性および悪性の二次性腫瘍を生じる可能性がある。シンメルペニング症候群は脂腺母斑と真皮外の異常を伴うことを特徴とする。我々は、検討した脂腺母斑組織65例のうち、62例(95%)にHRAS遺伝子の変異、3例(5%)にKRAS遺伝子の変異が見られたことを報告する。HRAS c.37G>C変異(p.Gly13Arg置換を引き起こす)が病変部組織の91%に見られた。患者18人の非病変部組織には、野生型の配列が見られたことから、遺伝学的モザイクが確認された。また、HRAS c.37G>C変異は関連する二次性腫瘍8個のうち8個にも見られた。HRAS c.37G>C変異およびKRAS c.35G>A変異のモザイクは、シンメルペニング症候群患者2人に見られた。HRAS c.37G>C変異を持つ細胞の機能解析から、MAPKおよびPI3K-Aktのシグナル伝達経路の構成的活性化が示された。我々の結果は、脂腺母斑およびシンメルペニング症候群は接合後のHRASおよびKRASの変異によって引き起こされることを示している。これらの変異は、脂腺母斑での二次性腫瘍発症の素因であるかもしれない。

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