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片頭痛:ゲノムワイド関連解析によって同定された前兆のない片頭痛の発症リスク座位

Nature Genetics 44, 7 doi: 10.1038/ng.2307

前兆を伴わない片頭痛は、片頭痛の中で最も頻度の高い病型であり、反復性の、日常生活に支障が出る頭痛と、それに伴う自律神経症状を特徴とする。このタイプの片頭痛に関連する頻度の高い遺伝子多型を同定するために、診療機関に受診したドイツ人およびオランダ人の、前兆の見られない片頭痛罹患者2,326人と、同集団の対照群4,580人において、ゲノムワイド関連解析を行った。その結果、P値が1×10−5未満である2つ以上のSNPを含む12か所の座位を選択し、これらの座位に含まれるSNPについて罹患者2,508人と対照2,652人における関連の再現性を調べた。そのうちの2つの座位のSNPは確かな関連の再現性を示した。1つの座位は1q22(MEF2D内部、再現性確認解析のP=4.9×10−4、メタ解析のP=7.06×10−11)である。もう1つは3p24(TGFBR2近く、再現性確認解析のP=1.0×10−4、メタ解析のP=1.17×10−9)である。その他にも、PHACTR1ASTN2の座位に存在するSNPで再現性が示唆された(前者の場合、再現性確認解析のP=0.01、メタ解析のP=3.20×10−8。後者、0.02、3.86×10−8)。さらに、これまでに片頭痛座位であると報告されている2座位、TRPM8およびLRP1の内部もしくは近傍における疾患との関連も確認した。今回の研究成果は、前兆のない片頭痛に対する感受性座位を初めて明らかにしたものであり、この衰弱性神経疾患についての知識を深めるものである。

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