Letter

2型糖尿病:稀なMTNR1Bの対立遺伝子はメラトニン受容体1Bの機能を障害して2型糖尿病に寄与する

Nature Genetics 44, 3 doi: 10.1038/ng.1053

ゲノムワイド関連研究でMTNR1B(メラトニン受容体1Bをコードしている遺伝子でMT2ともいう)のありふれた非コード対立遺伝子が2型糖尿病(T2D)のリスクを高めていることが示されている。最も強い関連は高い有意性を示したが(P<1×10–20)、そのT2Dに対する寄与は控えめである〔オッズ比(OR)はおよそ1.10から1.15〕。我々は2,186人のT2D罹患者を含む7,632人のヨーロッパ人についてエキソン塩基配列の大規模塩基配列再決定を行い、40個の非同義的な対立遺伝子を見つけ、その中にはT2Dと関連を示す〔OR=3.31、95%信頼限界(CI)=1.78–6.18、P=1.64×10–4〕36個の非常に稀な配列が含まれていた(MAF<0.1%)。40個の対立遺伝子のすべてについての4段階機能解析により、14個は機能がなく希少(MAF<1%)であり、4個は非常に稀でメラトニン結合およびシグナル伝達機能の完全欠損をきたしていた。非常に稀な対立遺伝子の中で、部分的あるいは完全機能欠損であって中立ではないものはT2Dに寄与している(OR=5.67、CI=2.17–14.82、P=4.09×10–4)。4個の完全機能欠損対立遺伝子について11,854人の追加集団(8,153人のT2D罹患者と10,100人の対照群)の遺伝子型判定を行った結果、それらのT2Dリスクとの関連が明らかになった(OR=3.88、CI=1.49–10.07、P=5.37×10–3)。この研究はMTNR1BとT2Dの間の強い機能的な関係を確立するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度