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血液型:ABCB6は赤血球形成に必要ではなく、新式血液型Langereisを決めている

Nature Genetics 44, 2 doi: 10.1038/ng.1069

ヒトのATP結合カセット(ABC)トランスポーターであるABCB6はヘム生合成に必須のミトコンドリアポルフィリントランスポーターとして記載されてきたが、形質膜上にあるほかのABCトランスポーターと同じく、抗がん剤抵抗性にもかかわっているのではと疑われている。我々はABCB6が赤血球上のみならず肝細胞がん(HCC)の形質膜上にも発現しているLan血液型抗原の遺伝的基盤であることを見つけ、ABCB6が新式の血液型(Langereis, Lan)をコードしていることを確立した。互いに無関係なLan(−)血液型の12人でABCB6に絞って塩基配列決定を行ったところ、10の異なるABCB6のヌル変異をみつけた。本論文はヒトABCトランスポーターの機能喪失型対立遺伝子の最初の報告である。注目すべきことはLan(−)(ABCB6–/–)のヒトには臨床的な問題が何もないが、ABCB6の欠損は、薬剤投与量を決めるときにはリスクをもたらす可能性があることである。

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