Letter

腎疾患:中国漢民族でのゲノムワイド関連研究からIgA
腎症の複数の感受性座位が同定された

Nature Genetics 44, 2 doi: 10.1038/ng.1047

中国漢民族でのIgA腎症(IgAN)について、2段階のゲノムワイド関連研究を行った。発見段階では罹患者(症例)1,434人と対照4,270人において解析を行い、追試段階では最も関連が示唆される61個のSNPについて、さらに症例2,703人と対照3,464人において解析を行った。我々は、17p13(rs3803800、P=9.40×10–11、OR=1.21。rs4227、P=4.31×10–10、OR=1.23)および8p23(rs2738048、P=3.18×10–14、OR=0.79)に関連を同定した。このことから、腫瘍壊死因子(TNFSF13)およびαデフェンシン(DEFA)をコードする遺伝子が感受性遺伝子であることが示唆される。さらに、我々は、主要組織適合複合体(MHC)領域に複数の関連を見いだし(rs660895、P=4.13×10–20、OR=1.34。rs1794275、P=3.43×10–13、OR=1.30。
rs2523946、P=1.74×10–11、OR=1.21)、また、これまでに22q12に報告されていた関連を確認した
(rs12537、P=1.17×10–11、OR=0.78)。rs660895がIgANの臨床亜型(P=0.003)、タンパク尿(P=0.025)およびIgAレベル(P=0.047)と関連することもわかった。我々の知見は、IgANが、自然免疫および炎症に関与する遺伝子近傍の多型に関連することを示す。

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