Letter

子宮内膜症:ゲノムワイド関連研究のメタ解析から子宮内膜症の新しいリスク座位が同定される

Nature Genetics 44, 12 doi: 10.1038/ng.2445

日本人およびヨーロッパ系の人の子宮内膜症の症例4,604例と対照9,393例についてのゲノムワイド関連研究(GWAS)のメタ解析を行った。我々は、これまでにヨーロッパ系の人の子宮内膜症との関連が示されていた、染色体7p15.2のrs12700667について、関連の再現性を日本人のGWASにおいても確認し(P=3.6 × 10−3)、また、WNT4近傍の1p36.12のrs7521902との関連をメタ解析で確認した。さらに、我々は、子宮内膜症と2p25.1のGREB1のrs13394619の関連を確立し、また、VEZT近傍の12q22(rs10859871)に新しく関連座位を同定した。また、症状が微症・軽度あるいは未知のヨーロッパ系の症例を除外して、2p14(rs4141819)、6p22.3(rs7739264)、9p21.3(rs1537377)にこれまでに知られていなかった関連座位を同定した。7個すべてのSNPの効果は、独立したコホートで再現性が確認され、統合解析によりP<5 × 10−8で関連がみられた。そして、ヨーロッパ系の人および日本人のゲノムワイド関連コホート間で、子宮内膜症の多遺伝子性リスクに有意な重なり(P=8.8 × 10−11)が見いだされたことから、多くの弱い関連がみられるSNPは真の子宮内膜症リスク座位であり、また、リスク予測や将来の標的療法はこれらの集団間で移行可能であろうと考えられる。

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