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前立腺がん:全ゲノム塩基配列決定による研究で8q24上のまれな遺伝子多様体と前立腺がんとの関連が見つかる

Nature Genetics 44, 12 doi: 10.1038/ng.2437

西洋諸国では前立腺がんは男性の最も頻度高いがんであり、男性のがん関連死亡の主たる原因の1つである。いくつかのゲノムワイド関連研究によって前立腺がんリスクを高める一般的な変異が数多く見つかっている。この研究では1,795人のアイスランド人の全ゲノム塩基配列決定により見つかった3,250万個の変異を解析した。ヨーロッパ人の前立腺がんに関連する新規の低頻度の変異が8q24に見つかった。すなわちrs188140481[A](オッズ比=2.90、Pcombined=6.2 × 10−34)で、対照群でのリスク対立遺伝子の平均頻度は0.54%であった。この変異は、以前に報告されている8q24の変異ときわめて弱く関連しているにすぎないが(r2 ≤ 0.06)、既知のすべてのリスク関連変異を考慮して補正してもなおかつ有意であった。rs188140481[A]の保有者は非保有者よりも1.26年若いときに前立腺がんと診断されていた(P=0.0059)。我々はまた以前に報告されているHOXB13の変異(rs138213197[T])の研究結果についても、これが全ヨーロッパ出身の人種で前立腺がんのリスク変異であることを確認したことを報告する。

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