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代謝疾患とエキソーム解析:エキソーム塩基配列決定によってACSF3を
マロン酸‐メチルマロン酸複合型酸性尿症の病因遺伝子として同定した

Nature Genetics 43, 9 doi: 10.1038/ng.908

エキソーム塩基配列決定を行って、マロン酸‐メチルマロン酸複合型酸性尿症(CMAMMA)の遺伝要因を明らかにした。CMAMMA患者1人のエキソーム塩基配列決定を、続いて別の8人の罹患者(症例)の塩基配列決定を行った。このうちの1人は、エキソームデータベースの検索から、CMAMMAであると同定され診断されている。エキソーム解析の結果、メチルマロニルCoA合成酵素(シンテターゼ)およびマロニルCoA合成酵素をコードすると思われるACSF3の変異がCMAMMAの発症原因であることが明らかになった。また、イヌのCMAMMAモデルを調べたところ、ACSF3のオーソログ(相同遺伝子)と予測される遺伝子に病因性変異が認められた。ACSF3の変異対立遺伝子は、およそ1,000人の対照群においてマイナー対立遺伝子頻度0.0058で起こる。すなわち、一般集団におけるCMAMMAの有病率はおよそ3万分の1と予測される。ACSF3欠損症は、進化的に保存されたタンパク質ファミリーであるアシルCoA合成酵素ファミリーの多様なメンバーのうちの1つをコードする遺伝子の変異により引き起こされることが、ヒトにおいて最初に同定された疾患である。ACSF3欠損症はヒトの一般的な代謝疾患の1つとなる可能性がある。

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