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マイクロRNA:マイクロRNAは標的となる遺伝子の発現の
閾値を作り出している.

Nature Genetics 43, 9 doi: 10.1038/ng.905

マイクロRNA(miRNA)は、コード配列を持たない高度に保存された短いRNA分子で、配列依存的に遺伝子の発現を抑える。定量的な蛍光顕微鏡とフローサイトメトリーを使って単一の細胞での測定を行い、miRNAによる調節があるときとないときでの標的遺伝子のタンパク質の発現を追跡した。これまでの細胞の集団に基づいた測定結果からもわかるように、平均的には抑制レベルは中等度であったが、個々の細胞に見られる抑制レベルにはきわめて大きな差があった。とりわけ、miRNAによる調節によって標的mRNAの閾値が設定されており、そのレベル以下ではタンパク質の生産が大きく抑制されていることが示された。この閾値付近ではタンパク質の発現は標的mRNA増量に敏感に反応し、分子滴定の数学モデルと一致していた。これらの結果から、miRNAは遺伝子発現のスイッチと微調整の両方に作用している可能性が示された。

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