Letter

喘息:民族的に多様な北米集団における喘息についてのゲノムワイド関連解析のメタ解析

Nature Genetics 43, 9 doi: 10.1038/ng.888

喘息はよく見られる疾患で、遺伝要因と環境要因の両方を含む複合的な発症リスクに起因している。喘息についての北米人を対象としたゲノムワイド関連解析のメタ解析を、ヨーロッパ系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人またはアフリカ系カリブ人、ラテン系アメリカ人などの喘息の人(症例)5,416人に対して行った。さらに、これと同じ民族構成の別な12,649人に対して、関連の再現性を確認した。その結果、5つの感受性座位を同定した。そのうち4つの座位は、すでに関連が報告されているもので、17q21領域のIL1RL1TSLPIL33の近傍に存在する。ただし、これらの座位と喘息発症リスクとの関連を上記3種類の民族において明らかにしたのは、今回が最初である。加えて、新たな喘息感受性座位をPYHIN1に同定した。この座位における関連はアフリカ系アメリカ人に特異的であった(P=3.9×10−9)。今回の結果は、喘息感受性座位のいくつかは標本サイズが十分に大きな場合には祖先の違いにかかわらず同じであること、さらに祖先特異的な関連の存在も喘息の遺伝的基盤の複雑さの一因となっていることを示唆するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度