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喘息:ゲノムワイド関連解析による日本人集団に
おける成人喘息の3つの新規感受性領域の同定

Nature Genetics 43, 9 doi: 10.1038/ng.887

気管支喘息は、遺伝要因と環境要因の相互作用によって引き起こされる頻度の高い炎症性疾患である。日本人集団において成人喘息罹患者(症例)計7,171人と対照計27,912人について、ゲノムワイド関連解析とその追試を行った。その結果、成人喘息の感受性に関連する5つのゲノム領域を同定した。これまでに報告されている主要組織適合性複合体(HLA)領域とTSLP-WDR36領域に加えて、3個の領域を新たに同定した。染色体4q31のUSP38-GAB1領域(combinedP=1.87×10−12)、染色体10p14の領域(P=1.79×10−15)および染色体12q13の遺伝子が密集して存在している領域(P=2.33×10−13)である。成人喘息との最も有意な関連(rs404860)は、HLA領域で認められた(P =4.07×10−23)。このSNPは、呼吸機能についてのゲノムワイド関連解析で1秒率(FEV1/FVC)との関連がすでに報告されているSNP(rs2070600)の近傍に位置していた。我々の知見は喘息へのかかりやすさに対する遺伝学的な寄与の理解をさらに深めるものである。

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